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探偵の知識

軒を貸すけど母屋は取られない

2025年11月19日

浮気とは「午前4時の赤信号」である。
すずきB

〜ベッキーが教えてくれたこと〜

我々は、ベッキーの不倫騒動から多くの重要なことを学んだ。
まず、男子はこれを学んだ。

既婚者であることを隠して女性を口説いてはいけない。

「もうすぐ離婚するから」と彼女に期待させてはいけない。

離婚が成立してもいないのに彼女連れで帰省してはいけない。

ケータイとLINEアカウントの管理は重要。古いケータイを放置していると、パソコンと同期して勝手にデータを抜かれたり、クローンを作成されたりして、アレコレだだ洩れになってしまうので危険(それらがLINE画面流出の原因とされている)。

そして、女子はこう学んだ。

日頃ストイックに仕事しすぎると、いざ恋をした時に暴走しやすい。

「純愛」は、見方によっては「ただの独りよがり」である。

大人になるということは、それなりに恋愛を経験し、自らの恋心をコントロールできる力をつけることである。

「離婚届」を「卒論」とか言っちゃう既婚男は信用ならない。

女性の不倫は「男性の不倫」よりダメージは大きい。
あの夫婦が、なぜああなってしまったのか、その実態はわからない。ただ、よくあるケースから想像するに、男が結婚生活にストレスを感じている最中、出会ったかわいい女性がやけに自分に積極的なものだから、ついつい浮き足立って夢中になり、余計に妻の束縛がうっとうしくなってくる。とはいえ既婚であることを彼女に知られたら嫌われてしまいそうだからそこは隠して口説いた結果、彼女がもう後戻りできない状態になって、その実態に妻がキレ、あんなことが起きたのではないかと推測する。
男、奥さん、彼女の中で、最も悲しい思いをした被害者はやっぱり奥さんだ。あの不幸を招かないためにも、世の妻たちに、我々浮気おじさんは言っておきたい。
「女房と畳は新しいほうがいい」とはよく言ったもので、男は結婚しても新しい畳が恋しくなることがある。既婚者だって、たまには恋したい。
その時に、「うちの妻は厳しいから、新しい畳のイグサの香りを嗅いだだけでも殺される」ととじらせるのでなく、「新しい畳もいいけど、やっぱり家の畳が落ち着くなあ」と戻って来させる教育が大事。
頭ごなしに「新しい畳を嗅ぐのも禁止」とやると、教育ママに厳しく育てられた少年が、親の財布から盗んだお金で隠れてゲーセンに通うように、ウソをついてまで畳を嗅ぎに畳屋に通うようになる。「畳を買いたくて」という男の言葉を店主は信じる。本来、買うつもりなんてなかったのに、ただ新しい畳の匂いを嗅ぎたかっただけに、男も引っ込みがつかなくなる。
だから、家の畳が畳ごと取り替えられるぐらいなら、新しい畳の匂いぐらい嗅がせてやればいい。杓子定規に言えば、それは夫の浮気、不倫かもしれない。でも、「軒を貸して母屋を取られる」のが怖いから、ビタ一文、軒は貸さない、という考えもわかる。女性が思ってる以上に、男は女に軒を貸したがる。女性は気軽に軒下にだって雨宿りしようとしてくる。ならば、母屋ごと持ってかれない〝軒限定での遊び方〟を学ばせればいい。
そして、軒を借りる側の女性に「母屋がいただけそう」「結婚できそう」と思わせるような軒になってはいけないのだから、自分の夫が、既婚であることを隠してまで口説いて浮気するような男にしてしない。日頃から「ここではセーフ、ここからは絶対アウト」という、「軒」のゾーンを夫に教えてあげる。
「テコでも動かない母屋の柱の太さ、頑丈さ。それでいて、軒ぐらいなら貸し出して平気という器の大きさ」。それがあったら、きっとあの男も母屋の存在を隠さなかっただろうし、母屋の存在に気づいたあの女子も、その軒下で雨宿りしようとしてなんて思わなかっただろう。少なくとも、母屋に入れる期待をせずに軒下で過ごしたであろうことは想像に難くない。
未婚の女子は、タイプの男性と出会って雨宿りしたくなった時は、軒を借りる前に、この軒は母屋があるのかないのか、ちゃんと確認してから借りたほうがいい。万が一、軒を借りてるうちに母屋の存在に気づいた時は、潔く別の軒を探すのでもいい。
母屋あっての軒下だ。母屋がなかったら、「彼という軒下」は存在しないと考え、母屋をライバル視しない。母屋に入ろう(略奪婚)なんて生意気なことを期待せず、軒下で可能な限り、まさに「雨をしのぐ」ような時間を楽しむのだ。するときっと、空の向こうに虹が出て、やがて晴れてくることだろう。
結婚生活、常に晴れとは限らない。雨はつきもの。
サザンオールスターズの歌にもあった。
「思い出はいつの日も……雨」